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万一に備えるための〜保険の相続対策
文書作成日:2025/12/05
保険証券の紛失と“終活”の準備

“終活”の準備を進める中で、保険証券を紛失していることに気づきました。どうしたらよいのでしょうか?

Q
今月のご相談

 そろそろ相続を考える年齢となり、“終活”に向けた準備として資産内容を把握しはじめたのですが、生命保険で躓いてしまいました。

 毎年届く生命保険料控除証明書は残しているのですが、それ以外の書類は破棄して残っておらず、保険証券についてはどこにあるのか分かりません。このような場合どうしたらよいのでしょうか。

 また、“終活”に向けて準備をしていく中でのポイントも教えてください。

A-1
ワンポイントアドバイス

 保険証券を紛失してしまった場合には、再発行の手続きをすることをお勧めいたします。“終活”に向けた準備のポイントについては、詳細解説をご参照ください。

A-2
詳細解説
1.保険証券を紛失した場合の対応

 生命保険を契約すると、保険証券を受け取ります。この保険証券は、保険金を受け取るとき、中途解約時に解約返戻金を受け取るとき、また契約内容を変更するときなどに必要となります。

 仮に保険証券を紛失していても保障は継続しており、保険契約者の本人確認ができれば諸手続きをすることが可能です。ただし、保険証券には契約内容が記載されていますので、紛失した場合は再発行の手続きをすることをお勧めします。

 なお、再発行の手続きは、年に1回届く契約内容のお知らせや控除証明書に記載されている連絡先へ確認し、指示を受けるとよいでしょう。

2.“終活”に向けた準備のポイント

 “終活”に向けて準備をされる場合は、資産の把握をするとともに、相続人となる方は誰か、相続税は(どのくらい)かかるのか、把握しておかれるとよいでしょう。

 どのような書類があればこれらの把握ができるのか、参考までに記載しました。

(1)財産を把握するための資料(例)

財産・債務 資料(例)
預貯金 預貯金通帳
保険 保険証券、契約内容のお知らせ
年金 年金手帳、ねんきん定期便、年金証書、国民年金基金加入者証
不動産 登記事項証明書、賃貸借契約書、固定資産評価証明書、固定資産課税明細書、路線価図、鑑定評価書、売買契約書、名寄帳
有価証券 発行会社の事業報告・配当通知書、証券会社等の取引残高報告書
自動車 自動車検査証(車検証)、登録事項等通知書
ゴルフ会員権 会員証、株券
美術品、骨董品 売買契約書、鑑定書
墓地、霊園 契約書、墓地使用許可証
貸付金 消費貸借契約書、返済計画表
借金 消費貸借契約書、返済計画表

(2)相続人となる予定の人を把握するための資料(例)

 戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本

(3)相続税の試算

 相続税は、上記の資料などによって資産の一覧を作成し、相続人を把握した上で、資産評価を行うなどして計算することとなります。一部相続税が課税されない財産などもありますので、国税庁ホームページにある情報を参考に試算してみるとよいでしょう。

 なお、資料は準備したものの、ご自身での一覧表作成や相続税の試算などが難しいと感じた場合には、当事務所までお気軽にご相談ください。

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